海水面が上昇する満ち潮と海水面が低下する引き潮の仕組みってどうなっているのでしょうか。
海水面が上下するって不思議です。しかも、規模が大きいのでなかなか仕組みがイメージ出来ません。
なんと満ち潮と引き潮の仕組みに月が影響を与えているのです。
海と月では直接接点がありませんので、満ち潮と引き潮に月が影響を与えていると言われてもピンとこないのではないでしょうか。
満ち潮と引き潮の仕組みについて
海水面が上昇する満ち潮と海水面が低下する引き潮は、1日2回交互に起こります。
潮干狩りをしていて、つい夢中になっていると、ふと気が付くと足元まで海水が上昇していたなんて経験をお持ちの方もいるはずです。
引き潮の時は海水が引いて、いままで海だったところが砂浜になり、海岸から近い島が陸続くになって歩いて渡ることができる場所もあります。
では、なぜ満ち潮と引き潮が起こるのでしょうか。
1つは、月が影響しています。太陽も影響しているのですが、月の方が地球に近く、かつ分かりやすいと思いますので、月の場合で説明します。
月も地球と同じように引力があります。その、月の引力によって海水が引っ張られて海水面が上昇し満ち潮になります。
地球全体が同時に月に面しているのではありません。大雑把にいうと半分が月に面していて、残り半分は月に面していません。月に面していない側で引き潮が発生します。
月に面している側で満ち潮が発生します。月に海水が引っ張られるといっても、海底が空洞になるのではなく、満ち潮になっている側は海水が多めになり、月に面していない側の海水が満潮側に移動しています。よって、月に面していない側の海水が少なくなり引き潮になります。
しかし、これだと満ち潮と引き潮になるのは、1日1回のはずです。
もう1つの影響が、地球の自転による遠心力なのです。
地球は自転しています。回っていますので、地球の中心から外側に向けて遠心力が発生しています。
ただ、自転による遠心力は常に発生していますので、これだと満ち潮が常に発生しているということになってしまいます。
例えば、地球を北極からみてA~Dの4つに分割してみます。Aを月に面している側とします。よって、Aは満ち潮となります。Aの反対側のCも満ち潮になります。そうするとAとCの間のBとDが引き潮となります。地球の自転によって常に満ち潮になりやすい状態でAが月の引力で海面が上昇します。するとAの両端のBとDの部分が海水がAに移動して引き潮になります。Aの反対側のCはAに海水が移動しませんので満ち潮になるという仕組みです。
このような仕組みから満ち潮と引き潮は1日2回交互に発生します。
ちなみに、大潮というのは、月と太陽が地球に対して一直線になっている時に起こります。月と太陽の引力の影響を受けるので、海水面が特に高い満ち潮のことです。あと、高潮は、台風などの低気圧が影響しており、低気圧が通過している時は気圧が下がりますので、海水を押し下げている空気の力が弱くなり海水面が上昇する仕組みになっています。
大潮と高潮が同時に起こると、災害が発生するリスクが高くなるので、このような状況下では細心の注意をしたいところです。天気予報の時も注意を促しているのを聞くことがあります。
満ち潮と引き潮の差ってどれくらいなのか
満ち潮と引き潮の差はどれくらいなのでしょうか。この差は、場所によって違いがあります。
日本の場合、太平洋側で約2メートルほど、日本海側で約0.4メートルほどといわれています。
カナダのファンディ湾の奥の方では潮汐の最大の差がなんと15メートルにもなるそうです。ここまでの差になると、潮の満ち引きがはっきりと確認できますね。15メートルってビルの3~4回に相当するので結構な高さですよね。
ちなみに、通常の満ち潮と引き潮の時の差と大潮の時の差では後者のほうがが大きくなります。
満ち潮と引き潮ではどっちが釣れるのか
満ち潮と引き潮ではどっちが魚が釣れるのでしょうか。
海釣りをされる方なら気にしたことがあるのではないでしょうか。
満ち潮と引き潮の違いによって、魚が釣れる釣りにくくなるのは、場所によって異なることがあります。
また、天候などの状況によっても釣果は異なってくると思います。
沖釣りではなく、河口や波止場など海岸で釣る場合は、水深が浅い場所で釣るのなら引き潮の時より、満ち潮の時のほうが釣りやすくなります。
引き潮によって、水深が浅い所では海底が見えるまで潮が引くことがあります。
そのような場所では、浅すぎでしまいますので、魚が沖へ移動してしまい魚が釣りにくくなります。
逆に水深が深い場所の場合は、満ち潮より引き潮のほうが釣りやすくなります。
水深が比較的深い場所は河口部分です。
引き潮によって海水面が低下し、ポイントがはっきりしてきますので、釣りやすくなります。
何度か同じ場所で釣っている場合は、ポイントがはっきりしていると思うのでチャンスが高まるかもしれませんね。
満ち潮や引き潮が起こるメカニズムは理解できでも、自然って不思議な現象を起こすのものなのだと感心します。
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